《後編》白河市の“除染”が終わるまで② -仮置き場とその安全を守る人たち-

もえ

もえ 高校生
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わたしが除染について、約5か月調べて分かったこと、それは仮置き場の重要性。仮置き場の設置はどの地域も簡単ではありませんでした。しかし、白河市では早い段階で設置することが出来ました。それはなぜでしょう?答えはこの記事の中にあります。《後編・仮置き場とその安全を守る人たち》どうぞご覧ください。(前編はこちら
  1. 土壌の徹底された管理
  2. 除染に携わってきた人たちの話
  3. おわりに:これまでも、そしてこれからも

Chapter1 土壌の徹底された管理

除染作業と同時進行で進められたのが、除染で出た土壌を一時的に保管する仮置き場の選定と施工です。仮置き場の設置は放射性物質汚染対処特措法に明記されています。白河市では仮置き場をいち早く作ることで、除染後その場所(公共施設や宅地の敷地内)に土壌を保管する期間をできるだけ減らして、すぐに敷地外に運搬できるようにするため、仮置き場の選定と施工を進めていました。

白河市では合併前の4つの地域別に仮置き場を設置しました。白河地区(合併する前の旧白河市の区域)と大信地区では国有林野を無償貸し付けで借地して、用地を確保。そして表郷地区と東地区では、市有地や町内会の共有地を利用したり、また個人の所有地を借地したりして、全地域に仮置き場を設置しました。

白河市の仮置き場の設置状況。白河市ウェブサイトより(http://www.city.shirakawa.fukushima.jp/sp/page/page000109.html

現在の場所に仮置き場が決定するまでは周辺住民に仮置き場の安全性を丁寧に説明。納得してもらえるように市役所の職員が訪問し、説明会を開きました。実際に仮置き場設置の話が出た時の地区の様子を、当時の自治会長の方に伺ったところ、やはり当初は反対の声が多く、受け入れを理解してもらうのに何度も説明会を開き、話し合いを重ねたとおっしゃっていました。受け入れを理解してもらうまでが一番大変だったそうです。何度も足を運び説明を重ねた職員の努力、そして地元住民の方の正しい知識を持つ努力で、仮置き場の設置が承認されました。その成果として、白河市旗宿に白河市の仮置き場が設置できたのです。

そんな経緯で完成した仮置き場のひとつ、白河市旗宿大久保にある仮置き場を見学させていただきました。

福島県白河市旗宿にある仮置き場

広さは約11ヘクタール。国会議事堂の敷地面積と同じくらいで、18万7000袋もの除去土壌が保管されています。もともと国有林野だった土地を切り開いて作ったため、周りはほぼ山で囲まれており、実際の空間放射線量も低いです。

ここでどのように除去土壌が保管されているか除染情報プラザの方からお聞きした保管方法を簡単に説明します。

  1. 除去土壌をフレキシブルコンテナという袋に入れます。

    フレキシブルコンテナの大きさは約タテヨコ100cm程度。(写真の女性は身長164cm)

  2. フレキシブルコンテナを置く前に遮水シートを敷き、万が一汚水が流れたとしても、地下に浸透しないようにします。

    遮水シートの構造を説明する資料(環境再生プラザにて)

  3. シートの上にフレキシブルコンテナを四段重ね、さらにその全体に遮へい土のうを覆いかぶせます。

    仮置き場内、フレキシブルコンテナを覆う、遮へい土のうの袋(写真左側)

    仮置き場の全体の模型(環境再生プラザにて)

万が一汚染水が流れたとしても遮水シートの下は集水タンクに繋がっており、漏れ出すことはありません。仮置き場の空間放射線量はもちろん、集水タンクや敷地内の調整池などの放射線量も定期的にモニタリングされており、仮置き場の設置以来、数値が目立って上昇したことはないとのこと。このようにして、徹底的に除去土壌は管理されています。

仮置き場内にある、空間放射線量の測定ポイント。また、写真右側にあるように、場内は斜面は土砂崩れ対策のために、植生と排水のための側溝が整備されている。

仮置き場。写真右手は、場内の雨水が貯まる調整池。調整池中の放射線量も、モニタリング(監視)対象。これまで一貫して検出限界値以下の数値。

現在は建設会社の作業員3人が仮置き場で作業をしています。

仮置き場で働いている作業員の方に仮置き場で働くことに不安を持っていたかについてお聞きしたところ、「線量の高いところは正直不安だったけど、宅地除染を経験したので今は、不安はない」とおっしゃっていました。作業していた人数が多いときは20~30人近くが作業していたとのこと。

仮置き場に入ってみると、除去土壌が保管されているとは思えないほど、周囲がきれいに整備されていました。道路の脇には側溝が設けられていて、雨水や雪解け水が一気に流れて、造成した土地で土砂災害が発生しないような対策も施されています。空間放射線量や水路を流れた調整(コントロール)する調整池の線量などは定期的に測定し、公表することで仮置き場の安全性を伝えています。また、この測定は地元の自治会の監視委員会が行っていて、市民に仮置き場の安全性を伝える役割を担っています。このように白河市の仮置き場の管理は徹底されていて、抜け目がありません。環境省から「管理がいいね!」とお墨付きをもらい、他の市町村から見学に来たり、環境省の除染事業を伝える動画の取材を受けることもありました。白河市の仮置き場の管理は県内でピカイチと言っても過言ではないでしょう。

Chapter2 除染に携わってきた人のお話

今回この記事を書くにあたって様々な方に取材を行い、詳細な情報をいただきました。その取材では知識的な質問だけではなく、取材に答えてくださった方の放射線に対する考え方や取り組みへの想いを話してくれました。

白河市の除染をより詳しく知るために白河市役所生活環境部環境保全課の職員の皆さんに取材を行いました。事前に除染についていろいろ調べていった中で、この点は白河市ではどのように行っていたのだろうと疑問に思うことがありました。そこで昨年まで設立されていた放射線対策課で業務を行っていた真舩薫さん、金澤裕之さんに白河市の除染の対応や業務に携わったことについて伺いました。専門用語を詳しく解説してくださり、とても丁寧に応えてくれました。

もえ
本日はよろしくお願いします。
金澤さん
よろしくお願いします。
真舩さん
よろしくお願いします。
もえ
まずはじめに質問なのですが、白河市では国の除染に関する緊急実施方針が出される前に放射線の対策は行っていましたか?
真舩さん
白河市では事故後すぐに除染に関する予算が専決処分され、同年2011年6月の定例議会で、公園や学校などの教育施設の除染予算が可決されました。緊急実施方針が出される前は校庭の表土を剥ぎ取り、通学路を洗浄したりなどをしました。子供たちの生活に関わる場所を少しでも早く除染し、放射線量を下げたかったからです。
もえ
取り組みがとても早いですね。具体的に表土の剥ぎ取り等どのくらい進みましたか?
金澤さん
PTAやボランティアの協力を得て、2011年は保育園、幼稚園、小中学校合わせて44施設。2012年は59施設進めることが出来ました。
もえ
教育施設は国の方針が決定する前から除染作業が進んでいたのですね。金澤さんご自身は放射線について不安はありましたか?
金澤さん
不安が無かったわけではありません。白河に住む人なら、誰もが抱いたような不安は私自身もありました。福島県では地震、津波そして原発事故の被害がありました。この原発事故の被害は福島県特有のもので、放射線についてわからないことが多く、当時はまさに白河市全体が極限状態だったと思います。
もえ
事故が起きて生じた不安はその後どのように変わっていきましたか?
金澤さん
行政という立場で正確に放射線について知るために勉強や研修を重ねました。その中で、よく知らなかった放射線が実は身近なものだと思いました。

 

もえ
身近なもの、ですか?
金澤さん
「被ばく」って聞くと怖い言葉に聞こえますが、「被ばく」っていうのは「放射線を受けること」であって、震災前から私たちは生活の中で被ばくしていることが理解できました。環境省や除染情報プラザの正確なデータやパンフレットが出るようになって、放射線関連の言葉を知れば知るほど、放射線に対する不安は少なくなりました。
もえ
私もこの記事を書く前の下調べをするまでは日常生活で被爆していることは知りませんでした。少しでも知識を得ると、それまでぼんやりとしていた問題がはっきりと見えてきます。知識をつけるというのはとても大切なことだと思います。除染を行うにあたって説明をする機会が多かったと思いますが、安全性を説明する上で気をつけたこと、心がけたことはありますか?
金澤さん
市民が不安に思うことは職員も同じだと思いました。なので、相手の立場に立って説明することを心がけています。パンフレットを使った説明や地区ごとの説明会を実施したほか、除染作業の進捗を伝えるチラシを配布したり、除染計画等をホームページで公開しています。
もえ
説明会では、どのような意見がありましたか?
金澤さん
あくまで個人の考え方ですが、週刊誌が書くような過激な内容を鵜呑みにしている方もいましたし、一方で、放射線による影響を理解したうえで敢えて、「うちは除染しなくて大丈夫だから」とおっしゃった方もいました。
真舩さん
お子さんがいる世帯は特に心配している方が多く、中には「うちには子どもがいるんだから、優先的に早く除染して!」とおっしゃる方もいましたが、放射線による影響をできるだけ最小限にするために、白河市除染実施計画において『除染を実施する地域の優先順位は、比較的放射線量が高い地域から実施すること』『施設の優先順位は、子どもたちの施設を最優先に実施すること』と定めている事を丁寧かつ論理的に説明した結果、最後は快くご納得いただきました。
もえ
何が不安なのかがわからないと、不安を解消することにはつながらないですよね。真舩さんは除染事業に携わる中で放射線に対する考え方が変わったターニングポイントはありますか?
真舩さん
正直、今回の事故がある前までに、こんなに放射線について考えることはあったでしょうか。みなさんはどうですか?そういった意味では、ターニングポイントとなったのは平成23年3月11日です。除染事業に携わってからは、除染作業を進めていく中で、放射線量が減少し、大きな効果があらわれていることを確認できた時も、ターニングポイントと言えるかもしれません。
もえ
最後に質問なのですが、除染によって放射線の不安は無くなったと思いますか?
真舩さん
『放射線量マップ』を見てもわかるように、除染を実施した事により、放射線量が大きく下がったことが確認できることから、確実に不安は解消されてきていると思います。なお、市では各地域の仮置き場において、除染で発生した除去土壌などを、安全かつ適正に管理しております。あわせて、中間貯蔵施設(福島県双葉郡)への輸送も、着実に進んでおります。また、除染完了後における放射線量の低減を確認するための『詳細事後モニタリング』を実施し、市民のみなさんが、さらに安心していただけるよう取り組んでおります。
金澤さん
なお、白河地域仮置き場は、白河市、委託業者、そして地元住民による監視委員会の三者が一体となり管理しています。監視委員会は、仮置き場の空間放射線量モニタリング等の監視活動及び、構内の草刈りやゴミ拾い等の環境美化活動を行っており、それらの活動を通して確認された安全性を地域住民に伝え、市と住民の橋渡しとなり、住民の不安の払拭に取り組んでいます。
もえ
白河市では放射線の不安を解消するために様々な取り組みを行っているのですね。とても良く分かりました。現在は事後モニタリングを行っているということで、これからも頑張ってください。私も白河市の除染の取り組みが伝わるような記事を書きたいと思います。本日はお忙しい中、取材に答えていただき、ありがとうございました。

 

続いて取材に応えてくださったのは白河市旗宿地区にある仮置き場の測定を自主的に行っているいる監視委員会の代表の鈴木茂吉さん。

仮置き場とその周辺の線量測定を、旗宿地区の自治会で自主的に設立した監視委員会で行っています。その代表を務める鈴木さんに、なぜ監視委員会を立ち上げたのか、仮置き場の受け入れについてどのように考えていたのかなどをお聞きしました。若い人が除染や仮置き場について知ろうと思ってくれるのはうれしいと、笑顔で丁寧に応えてくれました。

もえ
本日はよろしくお願いします。
鈴木さん
よろしくお願いします。
もえ
監視委員会ではどのような活動を行っていますか?
鈴木さん
監視委員会では仮置き場の内部と外部の空間線量の測定を週に一回、仮置き場の下流にあたる河川の水質検査も月一回行っています。測定は二人一組で行い、そのデータは市役所にも提出しています。結果は公表されていて市民にも分かるようになっています。ここ最近は白河市の仮置き場から中間貯蔵施設(福島県双葉郡)への搬出へ立ち会い、仮置き場にある残土のモニタリングも行っています。

監視委員会が測定した放射線量の分厚いファイルを見せていただいた。

 

もえ
様々な活動をしているのですね。監視委員会を立ち上げられたのはなぜですか?
鈴木さん
約1年半、仮置き場の設置の是非や管理方法について話し合い、受け入れたけど、市役所がきちんと管理しているのか、自分たちで調べたいという思いで、旗宿の住民自らで立ち上げました。
もえ
監視委員の役員はどんな方が務めているのですか?
鈴木さん
委員の職業はバラバラです。旗宿自治会の役員で主に構成されています。当初は自治会の役員だけだったので少なかったのですが、徐々に監視委員会に興味を持ってくれる人も増えてきました。仮置き場周辺で行う環境整備の草刈りやゴミ拾いに参加する人数が、当初は20~30人だったのが、いまでは50人になりました。そういった方に仮置き場の中を見てもらうことで、旗宿の住民にも仮置き場が管理されていることを知ってもらい、とても嬉しかったです。

 

もえ
住民にとって監視委員会はどんな役割を担っていますか?
鈴木さん
監視委員会では旗宿に住む人々の除染や仮置き場に関する意見や疑問を市役所に届ける役割を担っています。市民から直接市役所に意見をぶつけるというのはなかなか難しいので、監視委員会は旗宿の住民と市役所の架け橋になっているのではないかと思います。
もえ
仮置き場の設置を決める過程で、お住まいの地域に仮置き場が出来ることについてどのように思っていましたか?
鈴木さん
やっぱり誰しも最初は仮置き場なんて受け入れたいとは思わない。反対の声が多かったです。でも仮置き場が決められなければ、白河市内の除染も進まないから、いつまでたっても元の環境には戻らない。仮置き場の設置に反対する人も、除染をすることで、よりよい暮らしの環境を作りたいという気持ちは一緒だと思います。
もえ
賛成する人も、反対する人がいるということも、理解できます。そんな中、最終的に仮置き場設置の受け入れを決めたことについて、どのように思っていますか?
鈴木さん
何度も説明会を開き、話し合いを重ね、仮置き場の受け入れを決めました。福島県内の他の地域では仮置き場がなく、住宅の敷地の土の中に埋めたりしているけど、白河市は仮置き場があったので、除染もスムーズに進み、自分たちが仮置き場を受け入れたことが円滑な除染業務に貢献していると感じました。仮置き場に土壌が搬入される前から、仮置き場そのものの線量を測定し、搬入後も低い値で推移していたことに驚きました。土壌が搬入されたなら、地区の放射線量が上がるかなって思うでしょう?
もえ
確かに、除染された土壌が集まるから数値が上がるように思えますね。
鈴木さん
でも実際はそんなことなくて、搬入の前後で線量は上がらなかったので、仮置き場は決して危険なものではないことが、伝えられました。自分たちで測定し、情報を共有してもらい、正しく知ってもらえたことは私たちにとって、とても大きかったと思います。
もえ
仮置き場を受け入れ、線量を測定したことで実感できたことがあったのですね。これまで活動した中で一番大変だったことは何ですか?
鈴木さん
仮置き場の設置の話が出たとき、私は自治会の会長だったのですが、旗宿の住民の皆さんに受け入れを理解してもらうまでが大変でした。反対する人の声は大きいし、自分は賛成!と、大きな声で言いづらいですからね。
もえ
確かに…
鈴木さん
最終的には皆さんに納得していただけたので良かったです。

 

もえ
住んでいるからこそ、仮置き場を受け入れることは容易ではなかったと思います。旗宿の皆さんが受け入れたことで白河市の除染が進んだということを忘れてはいけません。最後に、これから監視委員会ではどんな活動を行っていく予定ですか?
鈴木さん
知らないということは、不安が膨らんでしまうことでもあるので、まずは放射線や除染について、知ってもらいたい。特に若者にも。これまで行ってきた放射線量の測定などは継続して行い、これまで通り情報を地元に発信し、共有できるようにしたいです。すべての土壌の搬出が終わったら、仮置き場の環境調査も行いたいです。仮置き場になったから、もう利用できないではなく、安全で安心な敷地であるのだから、有効活用できたらいいなと思います。

 

もえ
仮置き場の今後のことも考えていらっしゃることに驚きました、住民自ら立ち上げた監視委員会は除染が終わった現在でも重要な役割を果たしていると思います。これからも活動は続くと思いますが、頑張って下さい。普段は注目されることがあまりない監視委員会について伝わるように記事を書きたいと思います。本日はありがとうございました。

旗宿地区は山林に囲まれた水田が広がる地区。

史跡・白河の関にほど近い場所には関の森公園がある。遊具やそば打ち道場、散策コースがある。

監視委員会のみなさんは、それぞれ普段はご自身の仕事に就いている。鈴木さんのお仕事は農業。

Chapter3 おわりに:これまでも、そしてこれからも

これまで白河市の除染の取り組みについて話を進めてきました。白河市の除染は宅地除染が2016年の11月に完了し、今年は除染後の線量を測定する事後モニタリングを行っています。除染作業は森林除染を行っており、2017年9月末に終了する予定となっています。まだ除染やってるの!?終わってないの!?と思うかもしれませんがこれは国の除染ガイドラインが平成28年に変更され、従来の宅地に加えて森林の除染も行うようになったため、2017年度も除染が実施されています。

原発事故が発生してから白河市では宅地除染が完了するまで、およそ5年と半年の時間がかかりました。皆さんはこの5年と半年は長いと思いますか?短いと思いますか?私は白河市に住んでいながら、放射線や除染についてあまり知らず、事実を知るたびにただただ驚かされるばかりでした。原発事故が発生してから今まで多くの方が放射線と向き合い、わからないこと初めてのことに困惑する中、震災前の白河を取り戻すため除染活動に取り組んだ5年半は長かった、短かったという一言では表せない5年半だったと思います。

話は変わりますが、皆さん「箱の中身はなんじゃろな?」というゲームを知っていますか?中に何が入っているか分からない箱に手を入れ、中身を当てるゲームです。箱の中身が分からない状態でものを触るのは勇気がいります。もし危険な生物が入っていたらと思ってなかなか触れない、たわしやこんにゃくといった日常にあるものでも中に入っていると知らずに触ると、ビックリして危険なものだと勘違いする人もいるでしょう。ならば中身が分かっていたらどうでしょう。中身が分かれば、わたしは気をつけてゆっくり触ればいいし、こんにゃくはすぐに触れるでしょう。恐いと思う人がいるでしょうか。

私はこの「箱の中身はなんじゃろな?」は放射線と似ていると思うのです。放射線も日常にあるもので、私たちは毎日放射線を浴びています。確かに何も知らない状態で放射線って聞くと目に見えなくて恐そうって思う人も多いと思いますが、きちんと放射線について知れば過剰に恐がることはなく、何が危険で何が危険ではないかというのが分かるはずです。たとえ目に見えないものでも知識を増やすことで対処できる。これは私がこの記事を書く前に読んだ本とこれまで調べ積み重ねてきた放射線や除染の知識、そして除染を携わった方々にお話を聞いたことから自分なりに考えた放射線との向き合い方です。

最後に、私が一番伝えたいことは、白河市は放射線の問題において除染から次のステップへ移ったということ。これまでに行ったことも大切ですが、サブタイトルのようにこれからも大切なのです。下がった線量が維持されているか、除染土壌が全て搬出されたら仮置き場はどのように利用するか、などやるべきこと考えるべきことがたくさんあります。除染が終わったというのはとても大きいことです。しかしこれはまだ本当のゴールではありません。これからも白河市の原発事故に対する取り組みは続きます。

この記事を読んで少しでも白河市の除染について知り、興味を持っていただけたら幸いです。

Thanks for Books 執筆にあたって参考にした本

  • 知ろうとすること。(早野龍五・糸井重里,新潮社,2014)
  • はじめての福島学(開沼博,イースト・プレス,2015)
  • みんなで決めた「安心」のかたち(五十嵐泰正+「安全・安心の柏産柏消」円卓委員会,亜紀書房,2012)
  • 震災復興と自治体「人間の復興」へのみち(岡田和弘,自治体研究所編,自治体研究社,2013)
  • よくわかる環境社会学(鳥越皓之・帯谷博明編著,ミネルヴァ書房,2009)
    上記の本は、記事中に引用はしませんでしたが、取材の考え方や文章の書き方について、参考にしました。

Special thanks ご協力いただいたみなさん

取材に協力いただいた方

  • 環境省除染情報プラザ(福島市) 青木仁さん
  • 白河市役所市民生活部環境保全課 真舩薫さん 金澤裕之さん
  • 三金興業株式会社 金子善弥さん 今井正さん 阿久津啓さん
  • 旗宿自治会仮置場監視委員会 会長 鈴木茂吉さん
  • 取材にご協力いただいた皆さん

編集に協力いただいた方

  • 白河で取材を行ってくれた彦根東高校新聞部のみなさん
  • 校閲協力 裏庭編集部の高校生のみなさん
  • 校閲協力 沢田安代さん
  • コミュニティ・カフェ EMANON 青砥和希さん

白河市の除染を伝える記事を書くことが出来たのは、多くの方のご協力があったからです。この場を借りて御礼申し上げます。

ABOUTこの記事をかいた人

もえ

宇都宮大学地域デザイン科学部1年。白河脱出の関東人。相変わらず嵐とディズニーには目がない。「私にたくさんの縁を繋いでくれた方々のように、私も街づくりの中で人と人との縁を結べるような存在になりたい」と思いながら地域について勉強中。前後編の記事の次は何を書こうか悩み中。