ここが「好きなものに出会える場所に」コミネス職員・佐々木さん

団長

団長 高校生
団長
読者の皆さんは、2016年10月23日に、この白河に新しくできた施設をご存知でしょうか? その名も「コミネス」。今回、私はこの最新の施設「コミネス」で働く、白河に来て2年目の佐々木さんにインタビューをしてきました。

「コミネス」に就職するまで

玄関でわたしたちを迎えてくださる佐々木さん

団長
こんにちは。
佐々木さん
こんにちは。
団長
では、最初に佐々木さんの出身地と出身大学を教えてください。
佐々木さん
出身地は岩手県で、出身大学は1・2年生の時が盛岡大学。3・4年生の時は新潟大学でした。
団長
なぜ、盛岡大学から新潟大学へ編入されたのですか?
佐々木さん
盛岡大学では英語文化を学んでいたのですが、いろいろな表現・文化を学べるところに行きたいと思い、新潟大学に行きました。
団長
なるほど。高校生活から盛岡大学、新潟大学を経て、「コミネス」就職までの道のりを教えてください!!
佐々木さん
いきなり難しい質問ですね(笑)。そうですね。私の高校生活は、ハードに部活をやっていました。サッカー部に入っていたので。でも映画はよく見に行きました。まだ当時は、それほど量的に多くの作品を見ていたわけではなかったです(笑)。本格的に映画を見始めたのは大学からです。大学進学後は、盛岡大では英語文化について、新潟大では人文学部のメディア表現学プログラム、通称「メヒョウ」というところで映画について学んでいました。そして、大学4年生のときの就職活動を経て、この「コミネス」へ就職しました。
団長
そもそもなぜ、佐々木さんは映画が好きなのですか?
佐々木さん
そうですね。「自分が表現したい。想いを伝えたい。広く世の中、世界のために表現をしたりするのに、何ができるのだろう」と考えたことがありました。そして、それには「どういう手段を使うのがいいのだろうか」と考えました。そこで当てはまったのが、映画でした。映画は多くの人に表現や想いを伝えられます。音楽、絵・文字も含まれる総合的な芸術で、まさに広く世の中、世界のために表現できる手段です。そういった映画の総合芸術としての特性に私自身が興味を惹かれてから、映画が好きですね。
団長
佐々木さんの好きな映画はなんですか?
佐々木さん
そうですね…いろいろな作品が好きですが、印象に残っている作品は『少林サッカー』(2001年公開、チャウ・シンチー監督作品)です。小学生の時に父と一緒に映画館へ行き、見た作品だからです。作品自体が面白かったのもあります。
団長
ありがとうございます。では、佐々木さんはなぜこの「コミネス」に就職したのですか?
佐々木さん
それは、ここでしかできないことをやりたいと思ったからです。例えば、小峰城は、白河の象徴であると同時に、震災の傷跡を伝えるものでもあります。こういった「忘れてはいけないもの、風化してはいけないもの」を人々に伝えていきたいと思ったからです。また、この白河には、見極める目を持った人が少ないので、その目を育てることができればとも思っています。蛇足ですが、はじめて白河に来たとき、白河市街を流れる谷津田川を歩いて、いい気分で面接を受けられたのも理由のひとつです(笑)

現在も震災で崩壊した石垣の修復作業が続く小峰城

佐々木さんが好きな八津田川(白河市役所提供写真)

団長
佐々木さんのいう「見極める目」とは、どういった目ですか?
佐々木さん
突っ込んできますね(笑) 「見極める目」というのは、この白河という街がどういった街で、どういった課題を抱えているのか。そして、その課題に対して白河の発展のためにどういうことをしていくべきなのかを見極めるということですね。映画に例えるならば、どういった映画で、どういうときに見るべき映画なのか。そして、その映画を宣伝する時に必要なことを見極めるという感じですね。

「コミネス」で働いてみて

わたしたちにコミネスについて教えてくれる佐々木さん

団長
ありがとうございます。では、働いていて面白いことはなんですか? また、失敗したと思うことはなんですか?
佐々木さん
面白いことといえば、「コミネス」ではオペラや能、寄席など、たくさんの種類の事業を実施しているので、さまざまな芸術に触れられることです。それらの事業の実施は大変ですが、映画にはない面白さなどが学べるので、とても面白いです。逆に失敗したと思うことは、白河には映画館がないので、あまり映画を見られないということですね。

2017年5月の目玉は「薪能」

団長
確かに映画館はないですね(笑) 私も少し不便だと思います。
団長
話は変わるのですが、佐々木さんが思うコミネスの魅力とは何ですか?
佐々木さん
魅力ですか? そうだな…。しいて言うならば、バラエティーに富んでいるということですかね。
団長
というと…?
佐々木さん
コミネスでは、2年前からどんなことをやるのかなど決めていくのですが、その中には合唱や演劇など一定のことをやるのではなく、全然違うことをやっていくので、私はそこが魅力だと思います。そのなかには、コミネス、白河でしかできない創造型の事業があります。5月に開催の「白河スーパー薪能」は、まさに白河でしか体験でいない催し。震災からの修復が進む小峰城の石垣を背景に行う新しい能楽イベントです。白河の南湖と、そのモデルとなった古代中国の洞底湖をモチーフに作られた現代音楽「盃」の世界初演、白河人の精神文化とも言える白河提灯まつりのパフォーマンス、「白河踊り」を元に作曲された電子音響に乗せて、修復された石垣に光を当てるライティングショー、そして篝火の光とレーザー照明の光という古典と現代の光のなか浮かび上がる幽玄な薪能。これらの全く新しい創造的な演目は、白河の文化を大きく更新し、人々の心に映る「白河の風景」を変えうると思っています。

「自分の好きなものに出会える場所に」

リハーサル室で私たちをガイドしてくださる佐々木さん

団長
ありがとうございます。では、最後に、佐々木さんは、このコミネスをどのような人を中心にして、どういった場所にしていきたいですか?
佐々木さん
そうですね。若い人、いわゆる学生やクラシックなどをあまり見たことのない大人の方を中心に利用してもらいたいですね。知っているか知らないかで来るのではなく、一目見て、自分が好きなものに出会えるような場所にしていきたいです。
団長
自分が好きなものに出会えるような場所になるといいですね! 今日は、インタビューに答えていただきありがとうございました。

最後に取材陣と集合写真をとりました。

団長’s 取材後記

団長
今回の「コミネス」の取材はとても楽しかったです。特に佐々木さんへの取材はとても参考になりました。「コミネス」で行われる行事は2年前から決めているということなど、「コミネス」についてのことがたくさん聞けたので、とても面白かったです。また、バックヤードツアーにも参加できたので、内部の隅々まで調べられてとてもよかったです。インタビューにお答え頂いた佐々木さん、本当にありがとうございました。陰ながら応援しております!!!!!!

佐々木 郁哉(Sasaki fumiya)

白河文化交流館コミネス スタッフ

1994年岩手県盛岡市生まれ。白河市在住。
新潟大学卒業後、2016年に白河市にオープンした白河文化交流館・コミネスの職員に。好きな映画は木下恵介『今年の恋』(1962)、澤井信一郎『Wの悲劇』(1984)、大林宣彦『この空の花 長岡花火物語』(2012)。

白河文化交流館・コミネス

住所

〒961-0075 福島県
白河市会津町1-17

定休日

火曜日(イベント開催日等を除く)

電話番号

TEL 0248-23-5300

URL

白河文化交流館・コミネス